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3年生では、約2週間にわたって臓器別統合コースが行われます。以前の系統講義と臨床講義の機能を併せ持つもので医学部の早い時期から精神医学に関して、能動型・参加型で学習することができます。
内容は下記に示した8つのユニットに分かれており、各ユニットは、「症例から症候を学ぶケーススタディ」、「症例に関する講義」、「症例に関する課題とレポート作成」で構成されています。
ケーススタディでは、約40の症例を用意し、症候を抽出し、症例に関する解説を受けます。
その後、症例に関するまとめの講義で知識の整理を行うことができます。
また、『100のQ&A』と題して、ユニットの内容に関する課題が与えられ自ら教科書や参考書を用いて調べ、レポートを作成します。
レポートの作成指導は全教員が参加し少人数グループで行われます。
各ユニットは精神疾患全般にわたり広く症例や課題を用意しているため、統合失調症や気分障害だけではなく、 最近関心の高まっている発達障害や認知症に関しても正しい知識や最新の基本的知識を習得することができます。
【ユニット】
- 精神医学総論 (精神医学入門、症候学、診断学、治療学、検査法、精神保健福祉と法)
- 精神病性障害
- 気分障害
- せん妄、認知症、一般身体疾患による精神疾患、物質関連障害および嗜癖性障害、てんかん
- 小児・思春期の精神疾患
- 不安障害、適応障害、身体表現性障害、解離性障害、心身症
- パーソナリティ障害、性障害、摂食障害、睡眠障害
- 精神薬理学総論
4年生から5年生にかけて、臨床教室を各3週間ずつかけて1年間にわたり実習していきます。
精神科では、学生がチーム医療の一員として臨床現場を主体的に経験できるよう参加型の実習プログラムを組んでいます。
主な内容は次の通りです。
- 病棟実習
指導医と担当医のチームに学生1~2名ずつが配属されます。医師の診察に同行し精神科面接の手法や病状の把握の仕方を学び、同時にチームの一員として問題点や治療方針をチームで議論します。
患者さんの医療面接、各種検査を学生自身が担当し、カルテを毎日記載し、教員からフィードバックを受けます。
担当症例に関する英語論文をレポートにまとめ、チーム回診の際にプレゼンテーションを行い、指導医、担当医とディスカッションを行います。
うつ病や統合失調症などの臨床症状の評価実習や心理検査実習、電気けいれん療法の見学も行います。 - 外来実習(新患外来)
予診医による診察内容をもとに予診医と診断を議論します。本診察ではまず学生が初診医にプレゼンテーションし、その後予診医が補足します。本診察を聞きながら診断を再検討し、診察終了後に初診医からフィードバックを受けます。実習最終週は学生が実際に予診を担当し、初診医にプレゼンテーションを行います。 - 病棟検討会
毎週火曜日の午前中に行われます。精神科スタッフが一堂に会し、前1週間で入院した患者さん、あるいはその週に退院予定の患者さんの診断や今後の治療方針について熱い議論を交わします。 - 関連病院実習(新潟県立精神医療センターおよび白根緑ヶ丘病院)
新潟県立精神医療センターでは小児・思春期の精神疾患、嗜癖性障害等について、白根緑ヶ丘病院では認知症について、それぞれの専門の先生方が指導してくれます。 - 最終試問
3週目の金曜日に最終試問があります。内容は、DSM-5ケースファイルの課題症例に関する問題点や診断、診断根拠、鑑別診断、英語論文に関する内容などが中心となります。
染矢教授が懇切丁寧に指導してくれます。
5~6年生には、4週間の臨床実習Ⅱが用意されています。
4~5年生の実習よりも、じっくりと患者さんと向き合い、回復して退院していく過程を経験できます。
【内容】
- 基本的に午前は外来実習、午後は病棟実習です。
外来実習:初めて当科を受診される患者さんの病歴聴取、精神医学的評価・検査、診断、治療への導入までの流れを見学。
(必要に応じて、病歴聴取や検査を行って頂きます)
病棟実習:主治医、担当医、研修医からなるチームの一員となり、患者さんの診察・治療方針の検討を行う。 - 検討会:毎週火曜日に開かれます。精神科の医師全員で新入院および退院患者さんの状態を評価し、その後の治療にむけての検討を行います。
さらに入院中の患者さんについての報告・検討も行っていますので、実習中に担当している患者さんについてプレゼンテーションをしてもらいます。
【その他】
- 本教室では、学内の「こころの発達医学センター」と連携して、最近社会的に需要が高まっている児童精神科医の育成にも力を入れています。児童精神科専門外来の見学も可能です。
さらに、こころの発達医学センター主催で、学生・研修医向けの児童精神医学に関するセミナーを毎年企画開催しています。
詳細に関してはこちらをご参照ください(→新潟こころの発達医学セミナー) - 学外の学生からの見学や夏季休暇等を利用した実習の希望も大歓迎です。
ご希望の方は、総括医長の江川 jeg5414@med.niigata-u.ac.jpまでご連絡ください。