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- 子どものこころのケア
1. 全ての子どもについて
〇 子どもたちを守り、他の人を病気にしないための手立て
皆様が健康でいるためにすべきことを行い、子どもたちにも同じことをするように教えてください。
- 手洗いしましょう(20秒以上)
- 人との距離(2m以上)を保ちましょう
(特に他の子どもと遊ぶときや重症化リスクの高い人(高齢者や持病を持つ人など)に対して) - 2歳以上の子どもはマスクを装着させましょう
- 家の中でよく触れる場所を除菌しましょう
- ぬいぐるみなどを含めて可能なものを洗いましょう
(できるだけ高温のお湯で洗濯し、完全に乾燥させる)
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の洗濯物と一緒に洗っても大丈夫です - 不要不急な外出や旅行の予定を変更しましょう
- 子どもの面倒を見られない場合に、誰が子どもの世話をするのが一番よいか、前もって検討しましょう
- 年齢に応じた形で⼦どもにCOVID-19について説明しましょう(以下のサイトが参考になります)
「コロナウイルスってなんだろう?」藤田医科大学 医学部 微生物学講座 感染症科
「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」日本赤十字社
“The Story of the Oyster and the Butterfly”Ana M. Gomez ”Japanese”より閲覧可
〇 ストレスや不安により子どもの出すサイン
このような状況下でのストレスや不安による身体やこころの変化は、正常な反応であり、ほとんどの場合、時間とともに回復していきます。
■身体のサイン
- 食欲がなくなる、あるいは食べ過ぎる
- 寝つきが悪くなる、何度も目を覚ます
- いやな夢を見る、夜泣きをする
- 暗くして寝ることを嫌がる
- 何度もトイレに行く
- 風邪を引きやすくなる
- 喘息やアトピーなどのアレルギー症状が強まる
- 吐き気や腹痛、下痢、めまい、頭痛、息苦しさなどの症状を訴える
■こころのサイン
- 幼い子どもではよく泣いたり、不機嫌になったりする
- 赤ちゃんがえり(例えば、トイレの失敗やおねしょ)
- 10代の子どもではいらいらや反抗的態度・非行
- 過剰に心配したり悲しんだりする
- 不健康な食生活・睡眠習慣
- 学業低下や登校拒否
- 注意・集中の困難
- 今まで楽しんでいた活動を嫌がる
- 理由のわからない頭痛や体の痛み
- 飲酒や喫煙、その他の薬物の使用
〇 ストレスや不安への対処
下記のような対応は平時の子育てにおいても望ましいものです。子どもの反応が長引いたり、気になる状態があれば保健所・保健センター、医療機関に相談してみましょう。また、後回しにされがちですが、大人自身の心身の体調管理にも意識を向けてください。
■子どもが活動的で、社会的なつながりを持ち続けられるようにしましょう
- 人との距離(2m以上)に気を付けつつ、外で遊ぶように促しましょう
- 室内でできる体を使う活動時間を作りましょう(例えば、ストレッチタイムやダンスタイムなど)
- 電話やテレビ電話を使って友達や家族とつながりましょう。訪ねることができない家族にはカードや手紙を書きましょう
■ストレス対処法、リラクゼーション法を学びましょう
- そのために、国立成育医療研究センターこころの診療部作成の以下の資料が参考になります
「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」
「新型コロナウイルスに負けないために、セルフケア編」
「新型コロナウイルスに負けないために、リラクゼーション編」
■メディアの使用時間について
- 日本小児科医会の提言によるとすべてのメディア(テレビ、DVD、電子ゲーム、ケータイ、スマートフォン、タブレット端末などの電子映像メディア機器)へ接触する総時間の目安は、1日2時間までとされています
〇 子どもたちが学習を続けられるようにしましょう
■学校と連絡を取り続けましょう
- 学校によってはオンライン授業(インターネット学習)を提供しています。学校からの宿題を確認して、無理のないペースで終われるように手助けしましょう
- 困ること(慣れない方法で宿題をやることの困難など)があれば学校と連絡をとりましょう
■柔軟なスケジュールをたて、家庭で行う勉強のルーティーンを作りましょう
- 勉強する時間、自由時間、食事やおやつの時間、運動時間、そして就寝・起床時間を毎日なるべく同じ時間として、一日を構造化しましょう
※スケジュールには柔軟性をもたせて、日によって調整しても問題ありません
■学習を楽しめる方法を探しましょう
- 実践できる活動をしましょう(パズル、塗り絵、絵を描く、工作など)
- 一人でできる遊びを構造化された学習の中に取り入れましょう(シーツで基地を作る、ブロックを積んで数える練習をするなど)
- 家族に手紙を書くことで、字を書いたり、文法を学んだりする練習をしましょう
- この時を記録に残し、共有した経験を話し合うため、子どもと一緒に日記を始めてみましょう
- 本の読み聞かせやオーディオブックを利用しましょう
- オンラインの学習教材を利用しましょう
例えば、新潟市立総合教育センターが、家庭学習に活用できる動画を配信しています
2. 個別の支援が必要な子どもについて
〇 虐待リスクの高い子どもたちへの対応
新型コロナウイルス感染症により大人たちも強いストレスと不安を抱えています。そうしたとき、大人のいらいらが子どもにぶつけられたり、子どもの前でDV(ドメスティック・バイオレンス)
が起きたり、子どもの生活のケアが十分になされないことも想定されます。
皆さんの周りの子どもたちの中に、虐待の被害にあっている子どもがいないか、以下の点を確認してください。
- 子どもの気になる言動や表情、身体的変化、行動的変化の注意深く観察する
詳しくは「子ども虐待対応の手引き(厚生労働省)」を参照ください - 必要があれば、メンタルヘルスの専門家(スクールカウンセラー、医療機関、療育機関、発達障害支援センターなど)に相談してください
- 子どもの安全を守る、具体的対応(児童相談所、要保護児童対策地域協議会、警察、福祉等との連携、活用を含む)をしてください
〇 発達障害の子どもたちへの対応
ほとんどの子どもたちがこの状況に対して過敏になっている状況で、発達障害の子どもたち、特に状況の変化への対応が苦手な自閉スペクトラム症の子どもたちは、特に強く反応する可能性が高いと考えられます。それぞれの状況に応じた個別の配慮が必要ですが、一般的なこととして以下の点にご注意ください。
- 子どもの発達や特性に合わせて現状を説明しましょう
そのために発達障害情報・支援センター作成の以下の資料が参考になります
「コロナをたいじ(スマート)」
「コロナをたいじ(フル)」
「新型コロナウイルス感染症に気をつけましょう」 - 自分の気持ちを語ることができる機会を作りましょう
- 「いつもと同じ」日課、課題を保つ配慮をしましょう
- ストレス解消、感情コントロールの方法を教え、実践させましょう
- 発達障害の子どもたちのストレス反応や対処を学ぶには「発達障害専門プログラムワークブックⅡ(厚生労働省)」が役に立ちます
<<参考資料>>
- 「子どもたちのケア 学校が休みの間、子どもたちの健康を守る」日本児童青年精神医学会
- 「災害下における子どものこころのケアの手引きとリーフレット」日本児童青年精神医学会
- 「お⼦様と暮らしている皆様へ」日本小児科学会/日本子ども虐待防止学会/日本子ども虐待医学会
- 「学校再開へのメッセージ」公益社団法人 子どもの発達科学研究所
- 「コロナウイルスってなんだろう?」藤田医科大学微生物学講座・感染症科
- 「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」日本赤十字社
- “The Story of the Oyster and the Butterfly” Ana M. Gomez(”Japanese”より閲覧可)
- 「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」国立成育医療研究センターこころの診療部
- 「新型コロナウイルスに負けないために、セルフケア編」国立成育医療研究センターこころの診療部
- 「新型コロナウイルスに負けないために、リラクゼーション編」国立成育医療研究センターこころの診療部
- 「スマホに子守をさせないで」日本小児科医会
- 「家庭学習に活用できる動画」新潟市立総合教育センター
- 「子ども虐待対応の手引き」厚生労働省
- 「コロナをたいじ(スマート)」発達障害情報・支援センター
- 「コロナをたいじ(フル)」発達障害情報・支援センター
- 「新型コロナウイルス感染症に気をつけましょう」発達障害情報・支援センター
- 「発達障害専門プログラムワークブックⅡ」厚生労働省